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私たちは、 「計算化学を基盤として現代社会が直面する「実」課題解決に貢献する 」ことを目標としています。

 現在取り組んでいる課題は、 「環境・エネルギー分野」  「生命・医療分野」  「地球・惑星・宇宙分野」 に関係しています。

 環境・エネルギー分野の具体的課題は、 「理論的解析手法によるナトリウム―水反応の研究」です。ナトリウム冷却型原子力発電施設の安全設計に不可欠な基礎研究です。
 生命・医療分野の具体的課題は、 「分子クラスターから細胞に至る分子認識系の光励起ダイナミクスと素過程解明」です。鍵と鍵穴に例えられる生体分子の選択的水素結合形成を構造・ダイナミックスの点から研究します。また、分析化学で近年盛んに用いられながら、その分子機構が明らかになっていないMALDIの分子理論にも取り組んでいます。
 地球・惑星・宇宙分野の具体的課題は、 「分子理論を基礎とする地球・惑星大気の精密物理化学研究分野開拓」です。地球大気で起こる化学過程の精密な理解は、環境問題の解決にも不可欠です。対流圏、高層大気、ひいては星間空間、惑星大気にまで研究を展開します。

 研究は、 「分子物質科学を深化させること」  「実験・異分野との交流・協力を進めること」  「計算・情報技術を活用すること」に努めながら進めています。

 計算を活用する分子物質科学はこの30年あまりの間に長足の進歩を遂げましたが、現代社会が直面する実課題を解決するにはまだ不十分です。しかしながら、問題の本質を注意深く検討し、既存の方法の欠点を明確化した上で、未成熟な分子理論、計算手法、ソフトウェアを進歩させ、現在及び将来の計算機環境を活用した計算を行うことによって、課題解決に貢献することができます。

 分子の時間・空間スケールを超えて地球全体や宇宙にまで及ぶ巨大空間スケール、100年後の予測といった長時間スケールに及ぶ理解が必要なこともあります。そのため、実験分子科学者のとどまらず多様な異分野の研究者との協力が必要になっています。実験や他分野のシミュレーションの基礎となるデータやシナリオを提供し、先導します。現在の共同研究先は、日本原子力研究開発機構、東京工業大学、情報通信研究機構などです。  一方、多様な課題に取り組めることは、コンピューターを道具とする計算化学の特徴でもあります。それを活かしながら研究します。

 私たちの研究は、これまで行ってきた「クラスター科学」が基盤になっています。その成果を踏まえた物質科学そのものの研究も推進しています。 また、現在の研究はそれぞれ外部資金を得て実施しています。受託研究(日本原子力研究開発機構)、科学研究費補助金・特定領域研究「高次系分子科学」(文部科学省)、、科学研究費補助金・基盤研究C(日本学術振興会)です。ここに御礼申し上げます。

詳しい研究内容は、研究課題のページをご覧く ださい。